ご挨拶

― 平成の桜 ―

名誉学長  原田 治子

 春がそっと近づいてきました。わが家の狭い庭で冬の間枯れたふりをしていた木々も、小鳥のさえずりも嬉しそうです。

 間もなく、元号平成の終わりを告げる桜が満開になります。今年の桜とは心して向き合い、自分の30年間の想い出を紡いでみませんか。よろこびも悲しみも積乱雲のように湧いてくるでしょう。

 さくらさくら/今年のさくらは涙のさくら/やわらかい光の中に舞い下りる花びら/私の手の掌にのりました/せつなさがにじんで見えなくなりました/天空から「来年もこのベンチでね」/あの日の声が聞こえてきます/時は移り誰かがここで/笑顔のさくらをめでるでしょう。

 大切な友を失ったその年、ひとりぼっちのベンチで空に語り掛けた私の記録です(平成24年4月)。当り前だったことが当たり前でなくなった時、失ったものの大切さを知るのですね。時は絶え間なく流れ常に変わらぬ表情をしていますが、30年を顧みたとき「時は無常」であることに思いをいたすでしょう。日本の各地を襲った自然災害や忌わしい事件や事故。それによって平穏な生活を奪われた人たち。ごく身近なことだけを考えても、自身の衰え、親しい人たちとの別れもあれば、良き人やうれしいことなどとの出会い…。

 荒川シルバー大学も、この30年間で小さな苗木が大木に育ちました。陶芸・音楽の2教科からはじまって現在は33教科。旧真土小学校から一部を残し生涯学習センターへの引越し。事務所と専任事務職員(現・田原室長)の確保。文化祭が学園祭となり町屋文化センターからムーブ町屋へ。学芸会の開設。講師会の設置や運営組織の整備。成長の足跡はまだまだありますが、主なことだけにとどめておきます。

 平成の桜の蕾がふくらみはじめる3月15日は閉講・卒業式です。卒業証書・奨励賞・学長賞・理事長賞などに記される「平成」の元号は本年で最後です。講師への感謝、よき仲間との出会い、学習の成果や自身の成長など、証書に込める思いは様々でしょう。元号の終わりにあたって「平成よありがとう」の気持ちで、受賞者はいうまでもなく、受賞を祝福する学生であふれるほどの式場になるといいですね。

 「みなさん おめでとう。私たちは間もなく満開になります。元号が改まっても春は巡って来ます。その時の満開の桜とまたお目にかかりましょう」と平成の桜の言葉が聞こえます。

 ◎『私の平成』を広報部に是非お寄せ下さい。


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